- シャドーイングがいいって言われるけど、本当に効果があるの?
- シャドーイングでどのくらい英語力が伸びるのか知りたい
英語学習の独学方法として、最近シャドーイングが脚光を浴びています。しかし、すぐ結果が出るわけではないため、本当に効果があるのかと疑問に思ってしまう英語学習者も少なくありません。
そこで今回の記事では、筆者が3日間シャドーイングを行い、どの程度英語力の改善に効果があったのかを紹介します。
「シャドーイングって本当に効果があるの?」と思っている方はこちらの記事をご覧ください。
結論から言うと、リスニング力が向上し、英語の話し方のリズムも改善されました。ただし、これは3日間同じ教材を使用し、50回〜100回練習した経験に基づきます。
シャドーイングは英語のプロに矯正してもらいましょう。(株)プログリットが運営する「シャドテン」は、スマホ一台で、プロから毎日発音をフィードバックを受けることができます。
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シャドーイングは音源の後を追って発音する練習
シャドーイングとは、聞こえてきた音声に(1秒ほど)遅れて発声する英語の練習法です。英語音声を影(シャドー)のように追うことから、シャドーイングと呼ばれます。
ちなみに、シャドーイングには以下の2種類があります。
- プロソディ・シャドーイング:英文の音(特に抑揚やリズム)を意識してシャドーイングをする。
- コンテンツ・シャドーイング:英文の意味を理解しながらシャドーイングを行うこと。
初心者〜中級者の方であれば、プロソディ・シャドーイングから始めることがおすすめ。コンテンツ・シャドーイングはプロの翻訳家など上級者向けのトレーニングです。
シャドーイングの効果は?
シャドーイングは英語学習の方法として非常に有効で、あらゆる英語学習本で紹介されています。しかし、一体英語のどの能力に効果があるのでしょうか?
結論から言うと、シャドーイングはリスニングの「音声知覚の自動化」という能力に効果がある練習方法です。
音声知覚を説明する前に、まずは人がリスニングをするプロセスから説明します。英語や日本語など、言語を聞くときに脳内のワーキングメモリ*で以下の2つのプロセスを経て聞き取った音を理解します。
- 「音声知覚」:聞いた音自体を認識する
- 「意味理解」:音の意味を認知する
音声知覚と意味理解は、同時並行で処理されます。リスニングを苦手としている人は、英語の音を聞き取ろうと音声知覚を消耗してしまいます。その結果、音を聞きとるのに精一杯となり、2つ目のプロセスである意味理解を十分にできず、英語が理解できなくなるのです。
- ワーキングメモリとは?
- ”「脳の前頭前野の働きの一つで、作業や動作に必要な情報を一時的に記憶し処理する能力で、私たちの行動や判断に影響」するもの。
〜(中略)〜
情報処理の働きを学習部屋に例えて考えてみましょう。ワーキングメモリが作業机、入ってくる情報を本だとします。いったん、机の上(ワーキングメモリ)に入ってきた本(情報)を並べて保存します。そして、机の上で本(情報)を分かりやすく並べ変え、整理して必要かどうか判断します。いらない本(情報)は、速やかに机の上(ワーキングメモリ)から捨て(削除)します。”
LITALICO発達ナビ 「ワーキングメモリとは?」より引用(一部筆者編集)
シャドーイングは1つ目のプロセスである「音声知覚」に効果があります。聞き取った音を瞬時にリピートすることで、音声知覚を自動化し、意味理解にリソースを確保できるようにするトレーニングなのです。
シャドーイングのやり方
シャドーイングには様々なやり方がありますが、数々の書籍やウェブサイトを調べると、ある一定の共通点があります。今回はそれぞれをミックスしたシンプルな手順を紹介します。
- スクリプト付きの教材(30秒〜1分以内)を用意
- 英語音声を聞く。
- オーバーラッピングをする。
- シャドーイングを開始。
- 自分の英語を録音し、元の音声と聴き比べる。
具体的な方法はこのあと説明します。
また、①〜⑤は3日間かけて行えばいいので、1日で一気に実施する必要はありません。
シャドーイング体験レビュー
ここからは実際に筆者がシャドーイングの練習内容と、音声を公開します。
今回は、英語プレゼンで有名なTEDの中から、アンジェラ・リー・ダックワース 「成功のカギは、やり抜く力(Grit: the power of passion and perseverance)」を選択しました。
教材自体は6分程度ありますが、今回はテーマの内容が含まれる2:22~3:11の49秒間のシーンをシャドーイングしました。
【初日】シャドーイング練習
1日目の練習内容
①スクリプト付きの教材を用意
②英語音声を聞く。
③オーバーラッピングをする。
①スクリプト付きの教材を用意
スクリプトがないとシャドーイングの効果が半減するので、必ずスクリプト付き教材を選びましょう。教材は以下の点に気をつけて選んでください。
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- 30~45秒程度の長さ
- 自分のレベルに合った教材を選ぶ
繰り返しになりますが、シャドーイングは「音声知覚の自動化」に効果があります。同じ音声を繰り返すことで、話される英語音声を理解することができ、徐々に音声知覚が自動化されます。
また、シャドーイングが難しい場合は、教材が難しすぎる場合が多いです。レベルの目安としては、スクリプトを読んで7〜8割程度の内容を理解できる教材がいいでしょう。
②英語音声を聞く
教材選びが終わったら、英語音声を聞きます。その際、聞こえづらい音はスクリプトにカナ振りをします。また、この時点で抑揚・間・強調もメモをしておき、自分で発音する際の目安とします。
英語音声を聞くプロセスがないと、シャドーイングのときに音声が聞き取れなくなり、曖昧に発音する部分が出てきます。面倒ですが、プロセスをとばさないようにしましょう。
③オーバーラッピングをする
オーバーラッピングとは、スクリプトを見ながら英語音声と同時に英語を発音することです。スクリプトに書き込んだ音のルールや抑揚・間・強調を意識しながら発声します。
なれるまで何回も練習します。
1日目の最後に録音した音声がこちら。
(スクリプトが映っていますが、それは見ないで音声だけを聞いています。)
【初日】シャドーイング結果
【2日目】シャドーイング練習
③オーバーラッピングをする
1日目に引き続き、前日記録した音の規則を意識しながらオーバーラッピングを行います。
④シャドーイング
いよいよシャドーイングに入ります。動画の字幕を外し、スクリプト無しで英語音声のあとに続いて、英語を発声します。
シャドーイングは同じ教材を何度も繰り返し練習することが推奨されています。10回程度で次の教材に移る方もいますが、効果が薄いです。目安ですが、100回以上繰り返すことが理想です。
【2日目】シャドーイング結果
二日目の録音結果はこちら。スマホで録音した音声になります。
- 1日目と比較して、音のつまりが少なくなり、発音できない部分も減りました。
- ただし、ところどころ発音が完璧ではない単語・フレーズも存在し、練習が必要だと感じました。
【3日目】シャドーイング練習
⑤自分の英語を録音し、元の音声と聴き比べる。
スマホの録音アプリなどで、2日目の最後に録音したシャドーイングの音を録音します。
また、英語音声と比較する必要がありますが、プロではないので、工夫が必要です。私の場合、以下の方法で比較しています。
④シャドーイング
⑤聴き比べで課題となった部分を中心に、改めてシャドーイングを繰り返します。
【3日目】シャドーイング結果
シャドーイング最終日の録音はこちら。
- 初日と比較して、各単語が明確に発音できている。
- 抑揚やリズムもスムーズになっている。
シャドーイングを行う際の注意点
シャドーイングを行うとき、スクリプトを暗記するのはNGです。具体的な行動でいうと、英語音声と同時に発音することは避けましょう。覚えた内容を復唱するだけなので、効果としては薄いです。
あくまでも、聞き取った音をその後リピートして、音声知覚を自動化することが目的なので、音を聞き取ることに意識を置きましょう。
シャドーイングは練習を積み重ねれば効果あり!
今回の記事では、シャドーイングの効果と、実際にシャドーイングを3日間行った体験談を紹介しました。
- シャドーイングの効果
- ・音声がクリアに聞き取れるように。
・音の変化が聞き取れる
・英語のリズムを意識して発音できる。
これからも独学でできる英語学習について、トライしながら紹介してみます。
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