- シャドーイングを意味がわからないままやって大丈夫?
- シャドーイングで知らない単語が出てきてもいいの?
- シャドーイングの効果的なやり方は?
シャドーイングをやっていると、「英語の意味がわからない…」と悩む方は多いです。不安を抱えたままシャドーイングを続けると、挫折してしまうことも…。
今回の記事では、シャドーイング学習の本当の目的を紹介します。この記事を読めば、シャドーイングの効果的なコツを知りリスニング力が改善する可能性がグッと上がります。
ポイント
シャドーイングは意味がわからないままやっても大丈夫。英語の音を認識することに意識をおきましょう。
シャドーイングでは意味がわからなくても大丈夫
結論から言うと、初期の段階では意味がわからない状態でやって大丈夫です。流れてくる音がどんな音かを認識し、発声するプロセスが重要となります。
シャドーイングの目的を理解するために、リスニングのプロセスを知る必要があります。リスニングにおいて、脳内で行われるつぎの2つのプロセスを理解しましょう。
- 音声知覚
- 聞こえてくる英語の音を認識すること。
- 意味理解
- 認識した音の意味を理解すること。音声知覚の次のプロセスです。
例えば、Appleという単語を考えます。Appleという単語を聞いて理解するとき、脳内では以下のような処理が行われます。
- 「ˈæpl」→アッポー(音声知覚)
- アッポー→りんご(意味理解)
2つのプロセスは脳内で同時に行われます。片方のプロセスにリソース(スペース)を取られるともう片方はほとんど機能しません。
リスニングが苦手な人は、脳内が音声知覚でいっぱいになり、意味理解に割くリソースがない状態がほとんど。リスニングを得意にするためには、音声知覚に割くリソースをなるべく小さくする必要があります。
シャドーイングの目的は「音声知覚の自動化」
音声知覚に割くリソースを小さくするのに必要なトレーニングこそシャドーイングなのです。シャドーイングを行う大きな目的は「音声知覚」の自動化。
自動化とは
「自動化」とは、意識をしなくてもスムーズに物事を実行できること。
例えば、ブラインドタッチはキーボードの位置や指を置く場所など覚えることが多く、時間がかかります。しかし、慣れてくると徐々に意識せずとも自然に指が動くようになります。これが自動化のイメージです。
音声知覚の自動化によって、脳内で意味理解に割くリソースが増えます。意味理解をすることで、聞き取った単語の意味が正確に理解できます。
意味がわからなくても問題ない3つの理由
シャドーイング学習で音声の意味がわからなくても問題ない理由はつぎの3つです。
- 音を認識することに集中すればいいから
- 意味理解は難易度が非常に高い
- 継続が重要
シャドーイングは英語の音を認識するトレーニングです。
音を認識することに集中すればいいから
シャドーイングでは音を認識することに集中することが重要です。音声知覚が自動化され、そのあとの意味理解にさくリソースを増やすことができます。
意味を理解するのは難易度が高い
意味理解をしながらシャドーイングを行うのは難易度が高いです。
意味を理解しながら音声の聞き取りを行うシャドーイングを、コンテンツ・シャドーイングと呼びます。コンテンツ・シャドーイングは、主に通訳・翻訳家の方が翻訳作業のために行う本格的な練習方法の1つ。上級者向けの練習なので、少なくとも初心者が手を出すトレーニングではありません。
音声に集中してシャドーイングを行う学習方法のことを、プロソディ・シャドーイングと呼びます。初心者〜中上級者の方は基本的には「プロソディ・シャドーイング」での学習をおすすめします。
意味理解を鍛えたいなら音読がおすすめ
意味理解を鍛えるためには音読が有効です。リーディングというと意外に思うかもしれませんが、かなりの効果があります。音読で読み取った英文/単語をインプットし、その後に意味を理解するのです。
音読で英語を読み取る作業がリスニングの「音声知覚」に当たります。音読を行うために以下の3つをおさえておきましょう。
- 8割程度の単語を知っている教材を使用する
- 読み返しを行わない
- 同じ教材で20〜30回音読する
音読は1日でやろうとしなくて問題ありません。2〜3日に分けて音読を行うなど、無理のないペースで行いましょう。
- 1日目:テキストを黙読。知らない単語の意味を調べる
- 2日目:音読10〜15回
- 3日目:音読10〜15回
シャドーイングを効果的にやるための3つのコツ
シャドーイングは正しく勉強しないと効果が半減します。効果的なやり方を理解し、リスニング力をぐっと上げましょう!
≫シャドーイングの正しいやり方は?7つの手順で解説
- 知らない単語の発音は調べておく
- オーバーラッピングをする
- 音の変化を理解する
知らない単語の発音は調べておく
単語の発音はシャドーイングの前に調べておきましょう。正しい発音を知らないと、発声するときに口が回らなくなる原因となります。
発音の調べ方は、Weblio辞書などのウェブ辞書で単語を検索します。発音読み上げ機能をクリックし、発音を確認します。
単語の発音があっているか不安な場合は、スマホの音声入力機能を活用しましょう。iPhoneの場合はSiri、AndroidはGoogleアシスタントを起動。調べた単語を発音し、正しく単語が表示されればOK。
オーバーラッピングをする
シャドーイングを行う前にオーバーラッピングを行いましょう。オーバーラッピングとは、英語の音源と同時にスクリプトを読み上げることです。
オーバーラッピングを行う時点で音声についていけないと感じた場合は、教材のレベルが高すぎる可能性が高いです。音源を再生速度を落とす、スピードの遅い教材を選ぶなどこの時点で対策しましょう。
音の変化を理解する
シャドーイングを効果的に練習するためには、「音の変化」を理解する必要があります。音の変化とは、単語どうしがつながる英文が読まれるときに、通常の発音とは変化して聞こえる現象です。
主な音の変化は次の4つを抑えて理解しましょう。
≫英語の4つの音の変化を解説!
- 音の連結
- 子音と母音が続くとき、音がつながって発音されること(例:Stand up→スタンダップ)
- 音の消失
- 破裂音(b, d, g, k, p, t)と子音が続くとき、破裂音が発音されないこと(例:good morning→グッモーニン)
- フラップのT
- 母音+T+母音の順で並んだとき、Tの音がだ行・ら行の音に変化すること(例:Water→ウォーラー)
- 弱形
- 機能語(意味をほとんど持たない単語)を非常に弱く発音すること(例:I like her→アイライカー)
※機能語には、冠詞(a, theなど)・前置詞(in, atなど)・人称代名詞(me, herなど)などが含まれます
シャドーイングで意味がわからなくても大丈夫!
シャドーイングは意味がわからなくても大丈夫です。以下のことを意識しながら学習しましょう。
- 知らない単語の発音は調べておく
- オーバーラッピングをする
- 音の変化を理解する
ポイント
シャドーイングでは意味がわかなくても十分に効果があります。英語の音を聞き取ることに集中し、音の変化を意識しながらトレーニングしましょう!
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