- TOEICで700点前後あるのに、全然英語を話せない。
- 手軽に受験できるスピーキングテストはないかな?
- VERSANTスピーキングテストが会社の英語テストで課されてしまった……。
「TOEICは点数が取れるけど、英語は全然話せない。」と考える人は多いです。TOEIC L&R(リスニング&リーディング)で求められる力と英語を話す能力(スピーキング力)は、一長一短では身に付きません。
とはいえ、TOEICやTOEFLなどスピーキングを含む試験は、受験料が1万円以上するから手が届かない…。
そんな方には近年英語力を図る資格試験として注目されている、VERSANTというスピーキングテストがおすすめ。
今回は外資系企業で英語を使う筆者が、VERSANTを受けた感想と考えられる対策について書いてみました!初めてのVERSANT受験で失敗したくない方は是非参考にしてください。
VERSANTはスピーキングテストの1つ
VERSANT(ヴァーサント)とは、ロンドンに本部を置くPearson(株)が開発した英語スピーキングテストのこと。特徴的なポイントとして、高度な言語認識、自動採点システムが採用されていることがあります。
スマホからいつでもどこでも受験できることが大きなメリット。機械による自動採点システムが採用されているため、受験後1分以内に結果が判明することも大きな利点です!
項目 | 説明 |
---|---|
試験名 | VERSANT(ヴァーサント) |
運営団体 | Pearson(日本では、日本経済新聞) |
試験概要 | スピーキング、ライティング |
試験項目 | 音読、要約など(後述) |
所要時間 | 約17分 |
スコア | 20~80点 |
受験料 | 5,500円 |
採用団体 | Hilton、JT、クラレなど大手企業で採用 |
VERSANTの3つのメリット
VERSANTのメリットとして、他の英語試験と比較して、主に以下の点が挙げられます。
- 受験場所を選ばない
- 受験料が安い
- テスト結果が判明するのが早い
詳細に比較してみました。
テスト | TOEIC S&W | TOEFL | VERSANT |
受験場所 | 指定会場 | 指定会場 | PCやスマホ受験 |
受験タイミング | 毎月1回 | 毎月3〜6回 | 制限なし |
受験料 | 10,645円 | 245ドル | 5,500円 |
テスト結果 | 17日後 | 6日後 | 1分後 |
公式HP | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
VERSANT受験までの5つの手順
VERSANTを受験するための5つの手順を解説します。この手順を見れば、VERSANTの申し込みから受験までできるようになります。
- VERSANT公式HPより申し込み
- 受験番号をメールにて取得
- 受験方法の選択
- 注意点確認
- 試験開始
VERSANT公式HPより申し込み
VERSANT公式HPより申し込みを行います。HP右上の「個人で受験をご希望の方」をクリック。クリックすると、VERSANT販売代理店一覧として、「株式会社ディスコ」か「ドリームブロッサム」の2つが表示されます。どちらから申し込んでも手続きは一緒です。
この記事では、株式会社ディスコから申し込みを行うフローを説明します。
STEP1.株式会社ディスコを選択
STEP2.「個人の方の受験 お申し込みはこちら」を押下
STEP3.「コンビニ店頭」もしくは「クレジットカード」のどちらかを選択
STEP4. 必要事項を入力し、申込みを行う
表示画面に沿って、必要事項の入力を行い、申し込み手続きを進めます。
- 留意事項の確認→「同意します」を選択
- 申込内容の選択→「英語スピーキングテスト『Versant』」を選択。「次へ」を押下。
- 申込詳細の選択→「英語スピーキングテスト『Versant』」を選択。「次へ」を押下。
- お申込み内容の確認→「次へ」を押下
- お客様情報の入力→必要情報を入力
- 申込完了
受験番号をメールにて取得
登録したメールアドレス宛に受験番号が送付されます。申込完了後、数日後にメールが来ることが多いので注意しましょう。
受験方法の選択
受験番号が届いたら、専用のソフトウェア、スマホアプリ、ウェブブラウザの3択から受験方法を選択。私は、スマホアプリを選択しました。
注意点確認
スマホアプリから読まれる注意点を確認します。
試験開始
試験を開始します。所要時間は約17分。受験後約1分で結果が出るため、TOEICなどの英語試験と比較すると、かなり早いです。
VERSANTの大問構成
VERSANTの大問構成を解説します。VERSANTは以下の6つの大問、計63問で構成されています。
パート | 内容 | 説明 |
---|---|---|
A | 音読8問 | 表示された文章を指示された順番通りに読み上げる |
B | 復唱16問 | 音声で流れた英文を聞こえたとおりに繰り返す |
C | 質問24問 | 質問に単語(フレーズ)で答える |
D | 文の構築10問 | 3つのフレーズを聞いて、正しい文になおして答える |
E | 話の要約3問 | 短い物語を聞き30秒間で要約する |
F | 自由回答2問 | 質問に対して自分の意見を自由に回答する |
また、VERSANTでは、以下4項目に沿って自動採点されます。流暢さ・文章構成がスコアの6割を占める重要な要素です。
- 発音 20%
- 流暢さ 30%
- 語彙 20%
- 文章構成 30%
上記4つの要素に加え、以下のポイントも自動採点に反映されます。
- 答え始めるまでの時間
- 回答の長さ
- ためらい、休止、詰まり
- 音声のピッチとトーン
- 音声の強勢とイントネーション
VERSANT体験談
ここではVERSANTのパート別の具体的な出題内容について、実際に受験した私の体験談を交えて紹介します。初めて受験する方は私と同じ失敗をしないよう、参考にしてください。
パートA:音読8問
- 内容:表示された文章を指示された順番通りに読み上げる。
- 評価ポイント:流暢さ・発音
緊張しながら受験。アプリに英文が表示されます。噛まないよう、まずは落ち着いて読むように心がけました。発音ミスしないよう、ゆっくり丁寧に発声。
パートB:復唱16問
- 内容:音声で流れた英文を聞こえたとおりに繰り返す
- 評価:流暢さ、発音、文章構文
例文
Please repeat each sentence that you hear.
(試験の声)Will you visit the cemetery next weekend?
(回答)Will you visit the cemetery next weekend?
パートBでは、試験で流れた音声をそのまま繰り返す復唱を16問行います。
最初は4単語くらいの聞き取りで「余裕じゃない?」って思っていました。しかし後半になるにつれ、単語数が10〜20単語と増えていき、前半部分に言ったフレーズを忘れてしまうことも…。
パートC:質問24問
- 内容:質問に単語(フレーズ)で答える
- 評価:語彙
例文
(試験の声)Would you get water from a bottle or a newspaper?
(回答)From a bottle. / A bottle.
パートCは、聞こえてくる質問に回答します。疑問文の種類としては、感覚的ですが、以下の通り。
- 2択から答えを選ぶ:6割
- 疑問詞(What、Whenなど):3割
- その他:1割
パートCの感想としては、問題数が24問と非常に多いこと。前半は非常に簡単な文章ですが、後半になるにつれて文章が長くなるので、集中して聞き取る必要があります。このあたりでだいぶ集中力を消耗しました…。
傾向としては、前半はほとんど2択選択問題のため、後ろのパートが重要と感じました。一方後半パートでは、文頭の疑問詞を聞き取ることが高得点のカギになります。
- パートCの傾向
- ・前半パート:2択問題 → 後半部分が重要
・後半パート:疑問詞 → 一番最初が重要
パートD:文の構築10問
- 内容:3つのフレーズを聞いて、正しい文になおして答える
- 評価:流暢さ、文章構文
例文
(音声)was reading / my mother / her favorite magazine
(回答)My mother was reading her favorite magazine.
前半は例文のように比較的簡単な文章から始まりますが、中盤以降、文章が長くなるため、短期記憶に留めて置けるかがポイント。
単語を聞いて、瞬時に文章を組み立てます。なお、文法力としては、中学卒業レベルまでが求められた印象です。
パートE:ストーリー要約
- 内容:ストーリーを聞いて、30秒で内容を要約します。
- 評価:流暢さ、文章構文、語彙、発音
パートF:自由論述
- 内容:あるテーマに関して、40秒で意見論述(英文は2回流れます。)
- 評価:流暢さ、文章構文、語彙、発音
例文
Would you like to live in a large city or small town? Please explain why.
個人的には、指定された英語を聞き取るよりも、自分の意見を並べて意見を言うパートFの方が、まだやりやすいと感じましたが、それでも焦ります。
VERSANTのパート別対策
ここではVERSANTのパートA〜Fまでパート別対策を紹介します。各パートで求められるスキルやコツが異なるので、高得点を取れるよう参考にしてください。
パートA「音読」対策
- 内容:表示された文章を指示された順番通りに読み上げる。
- 評価ポイント:流暢さ・発音
パートA「音読」では、流暢さ・発音が評価されます。VERSANTの採点によると、「流暢さ」の採点比重が大きいです。
私も過去複数回挑戦した経験から、「ゆっくりミスしないよう確実に読む」よりは、「滑らかにネイティブっぽく」読んだ方が採点が高くなりました。
パートB「復唱」対策
- 内容:音声で流れた英文を聞こえたとおりに繰り返す
- 評価:流暢さ、発音、文章構文
パートB「復唱」は、流暢さ・発音・文章構文が採点されます。
Versantテストの採点基準として、回答まで間があると「英語を聞くことに脳のリソースを取られている」と判断され、減点対象となります。
特に後半になるにつれ、前に言ったフレーズが思い出せない焦りが出てきます。対策としては、たどたどしくならず、なるべく英語のリズムを外さずに発音することが重要です。聞こえた英語のフレーズを「英語っぽく」発音することがポイント。
パートC「質問」対策
- 内容:質問に単語(フレーズ)で答える
- 評価:語彙
AIが採点するので、シンプルにネイティブっぽくBottle of waterと発音するほうが点数が高くなるかもしれません。また、選択肢の英語がわからないと回答ができないことから、日頃からの単語力の強化が重要になります。
パートD「文の構築」対策
- 内容:3つのフレーズを聞いて、正しい文になおして答える
- 評価:流暢さ、文章構文
パートDでは、流暢さと文章構文が評価されます。単語と文法を頭の中で瞬時に組み立てる能力が求められます。
パートDはVERSANT特有の問題なので、パートDに特化したトレーニングはありません。知っている単語や文法を使って、日本語→英語へ瞬時に言い変えるスキルを鍛えることがベターでしょう。
パートE「ストーリー要約」対策
- 内容:ストーリーを聞いて、30秒で内容を要約します。
- 評価:流暢さ、文章構文、語彙、発音
パートE「ストーリー要約」では、流暢さ・文章構文・語彙・発音が評価されます。
流れる英文は比較的シンプルで、中学英語で十分対応可能。ストーリーもわかりやすかったですが、登場人物・状況・結果を発言しないといけないと思いながら聞いていたら、大事な部分を聞き逃してしまいました。
パートF「自由論述」対策
- 内容:あるテーマに関して、40秒で意見論述(英文は2回流れます。)
- 評価:流暢さ、文章構文、語彙、発音
パートF「自由論述」では、流暢さ・文章構文・語彙・発音が評価されます。
日本語でいいので、あらゆる時事問題・関心事に対して意見を考えるようにしましょう。日本語で表現できないことは、英語でも言えないからです。
40秒は意外と短いので、PREP法でスラスラと端的に表現した方がいいでしょう。
PREP法とは?
P(Point)要点、R(Reason)理由、E(Example)例示、P(Point)結論の略で、ビジネス現場でも使われる主張の型になります。
PREP法については、別記事でも解説しています。
VERSANT目安のスコア
結論から言うと、私のスコアは47点でした。B1ギリギリと言うところ。
地震があっただけに、非常に悔しいです。
VERSANTのスコア目安【日本人平均点は38点】
VERSANTのスコア目安は大まかな以下の通りです。
・58点:上級者の仲間入り
・47点:英語でビジネスを行う最低ライン
・38点:日本人の平均スコア
ちなみに、ヨーロッパ言語共通参照枠(CFER)という言語能力のレベルとの対応表ですが、以下になります。
VERSANTのスコア目安の詳細については、別記事でも解説しています。
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